近年では、スマートフォンでパソコン同様に何でもできるようになってきました。特に若い世代には、SNSなどの普及により、いまや生活に欠かせないものとなっています。辺りを見渡すと、街中では歩きスマホ、電車内でも半数以上の人がスマートフォンの画面を見て下ばかりを向いています。
画面を見ているときは、多くの方が目線を斜め下に向けることになり、それと同時に頭も斜め下に向けてしまっています。これが最近話題の「スマホ首」と言われている姿勢です。

実はこの姿勢が長く続くことで、首や肩周りの筋肉を酷使してしまい、肩こりが生じているのです。肩や、首の痛み、頭痛も、もしかしたらスマホ首の影響かもしれません。

重い荷物を持たなくても肩がこる?

もともと首は湾曲しているもの

人間の体で一番重い部分は頭です。人類は成長の過程で、二足歩行で移動するために、一番重たい頭を一番てっぺんに乗せるように進化をしてきました。そのため、頸椎(けいつい)とよばれる首の骨は、上図の矢印のように、S字カーブに湾曲することで、ボーリング玉ほどある頭の重さを、上手に吸収しているのです。また、関節同士の衝撃や負荷もこのカーブのお蔭で、緩和しているのです。

スマホ首になると…

このように頸椎が一直線になるため、首の関節同士の衝撃や負荷を逃がすことができなくなります。頭の重さを、筋肉や骨がじかに支えなければなりません。この一直線になった首のことを、「ストレートネック」と呼び、首と肩にとっては大きなストレスになります。
ストレートと聞くと、聞こえは良いのですが、ボーリング玉ほどある頭の重さを体がしっかり支えられるのは、S字カーブの湾曲で上手に重さを分散させているからです。ストレートネックになると関節で衝撃や負荷を吸収できないので、首や肩周りのの筋肉を一生懸命使わないと支えられません。その結果、重い荷物を持つ習慣がなくても、常に筋肉が張った状態になります。筋肉が張ったままだと、その中を通る血流も悪くなるため、結果、肩こりが生じやすくなります

肩こりにならないスマートフォンの見方

それでは、肩こりにならないためには、どうやってスマートフォンを見たらよいのでしょうか?
答えはカンタン。
先に述べたように、首の骨は姿勢をまっすぐにすることで、自然と首の骨はS字カーブを描いています。立っているときも、座っているときも、まっすぐ前を見るように視線を高く保ってみましょう。これだけでも無理していた首と肩の筋肉を、休ませることができます。もし、テーブルがある環境ならばテーブルに両肘をついて、顔の正面にスマートフォンを持ってきてみましょう。カンタンに視線が上にあがるので効果的です。(近づきすぎにはご注意ください)

デスクワークもスマホ首の原因に

また、デスクワークが多い方は、パソコンを使っている時に非常にスマホ首になりやすいです。スマートフォンと違い、パソコンはスタンドを使わないと持ち上げての作業が難しいので、なるべく同じ姿勢をとらず、こまめに首や肩周りを動かしましょう。しかし、動かす、といったときに、思い切り動かしてしまうのはちょっと待って。

できれば呼吸と合わせながら、ストレッチをする感覚で動かすことをオススメします。息を吸いながら動かしたら、息を吐きながらその位置でじんわりとストレッチをするようにしてみてください。左右の首の筋肉をストレッチする時には、図のように、片方の手で自分の頭を軽く支えると良いでしょう。

寝てるだけ!肩こり解消

肩こりや首の痛み、頭痛に悩まされて、マッサージを受ける方はたくさんいます。

確かにマッサージは、こり固まった筋肉をほぐしてくれるので、血液の循環が良くなります。循環が良くなると、痛みの物質も老廃物と一緒に流してくれるので、気持ちがよく、痛みが取れ、スッキリした感じになります。マッサージも、その場では確かに効果が出ています。。

しかし、またいつもと同じようにスマホ首の姿勢でスマホを見たり、パソコンをしたりしていると、同じ筋肉しか使わないので、結局いつもの肩こりが出てきます。その次ごマッサージに行きたくても、お金や時間がかかります。そこでオススメしたいのが、寝るだけで肩こりが楽になる自家製タオル枕です!

【準備】

家にあるバスタオルを一枚用意しましょう。120×60程度のサイズであれば大丈夫です。もし、生地が薄いと感じたら、2枚にしてみましょう。それを二つ折りにして、くるくるっと巻いて、もう完成です。

このバスタオルの上に仰向けに寝るだけ!です。頭の後ろが浮いてしまう、もしくは圧迫感があって苦しいと感じたら下の図のように、頭の下にタオルを敷いて調整しても構いません。

なぜこれが肩こり解消になるのでしょうか?それは、首の下にタオル枕を入れることで、頸椎を、自然なS字カーブに保つことができます。S字カーブを保つことで、背骨から骨盤までが整い、首や肩周りに過剰に入っていた力が抜け、筋肉が緩みます。しかも、時間がなくストレッチをなかなか行えない方でも寝ている間にできる手軽さが嬉しいポイント。

最初は仰向きに寝ていても、寝返りをして横を向いてしまうのではないかと心配する人もいますが、寝ている間に寝返りをしても全く問題ありません。タオル枕で調整されて筋肉がリラックスできている間に、自然な寝返りで背骨がストレッチされ、むしろ寝返りが全身の関節の歪みをとるような、ストレッチの代わりになります。

筋肉がリラックスできてくると、血流にも良い影響が。全身の循環がよくなり、よく眠れるようになっていくはずです。最初は頭の位置に慣れなくて、すこし違和感があるかもしれません。けれども、肩こりにお悩みの方や、首のはり、痛み、頭痛など肩、首、頭に何かしらの不調を抱えている方は、ぜひお試しくださいね。

まとめ

  • S字カーブを保つ姿勢でいること
  • スマートフォンの見方を工夫すること
  • デスクワーク中はこまめに肩や首を動かすこと
  • タオル枕を活用してみること

無理な運動をしなくても、マッサージに通わなくても、簡単なストレッチや、生活環境の工夫で気になる肩こりを解消しましょう!

 

【著者】小山 綾 (作業療法士)

カラダの調整所GLNARS 代表
国際統合リハビリテーション協会 IBWインストラクター
認知神経リハビリテーション学会 認知運動療法士
㈱GP小顔整体 小顔整体Level1、骨盤整体、修了
一般社団法人mysole協会 mysoleベーシックマイスター
一般社団法人糖質オフスタイル協会 糖質オフアドバイザー
一般社団法人セラピスト協会 アロマヒーリングセラピスト

関連リンク
・一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会IAIR:https://iairjapan.jp
・カラダの調整所GLNARS:https://glnars.com/

参考文献
1) 森本昌宏. 肩こりの臨床:適切な診断と治療のために. 近畿大医誌, 第35巻 3,4号,151~156,2010
2) 田中宏(2017). 寝るだけ整体 アスコム株式会社