以前のの記事で「自律神経が乱れているモナリザな状態の人はダイエットが成功しない」ということをお伝えしました。
しかし、「太る」、「やせない」といった悩みでもそれぞれに違った原因、理由があり、太り方の種類も異なります。唯一無二のダイエット方法があらゆる人に効果を表すはずなどあり得ません。それ故に、効果的なダイエットを行うためには、それぞれの「太った」理由、あるいは「やせない」理由を突き止めることが必要不可欠になります。

4つの「太る原因」

「やせる」を簡単にいうと、脂肪が「溶けて燃える」代謝反応が起こることが、ダイエットの本質なのだともいえます。そしてこの代謝の流れが動き出すかどうかは、基礎代謝という元々の体のエネルギーレベルの高低が関与し、この代謝の流れを実際に動かすものが自律神経とホルモンなのです。

この観点からみると、太る原因(あるいはやせない原因)は、大きくは次の4つに集約されます。

ダイエットの基本は確かに、食事を減らす食事療法と、運動量を増やす運動療法の2つを両立させることにあります。エネルギーの収支バランスを身体の外に出すような状態を作り出してやることで、脂肪細胞に余分に蓄えられた中性脂肪を燃やす方向に向かわせるのです。

ところが基礎代謝が落ちてきたり、脂肪分解や脂肪燃焼に働く自律神経系活性やホルモンのバランスが悪くなると、脂肪を減少させる一連の代謝の歯車がスムーズに動かなくなり、なかなかやせないという状態になってしまうのです。

ダイエットを邪魔する「ダイエット抵抗性」

「20歳代の頃はちょっと食事に気をつけて、少し体を動かすようにしたらすぐに3kgくらい減ったのに、40歳過ぎてからは同じようにしても全く体重が減らない…」と嘆く人が増えるのは当然といえば当然の話。加齢によって基礎代謝が落ちたうえに、ストレスフルな環境により長く身を置いてきたことで、自律神経系のバランスが狂ってやせにくい体内環境ができあがってしまうからです。

このように、やせるために、食事療法や運動療法はきちんと行っているのに、ちっとも体重が減ってこない、やせにくい体内環境をダイエット抵抗性といいます。以前にご紹介したモナリザ症候群も、ダイエット抵抗性の一種です。

▼参考

やせにくい現代人に多い「モナリザ症候群」

やせにくくなった、何をやってもやせないという時には、このダイエット抵抗性の存在を考えることがポイント。心身共に健康状態である時にしか、ダイエットの本当の成功は望めません。

自分のタイプを知ってダイエットに取り組まないと効果的にやせられないだけでなく、体の調子すら悪くさせる可能性も。これは、やせるメカニズムには自律神経などが複雑に絡み合っているからです。

しっかり自分と向き合い現状を知る。これはダイエットの成功のためにも、アンチエイジングにも、健康に長く生きるためにも必要不可欠だということです。

 

著者
青木晃(医師)

◼プロフィール

防衛医大、東大医学部付属病院などで、内分泌・代謝内科、腫瘍内科の臨床研究に従事。
多くの生活習慣病患者、がん患者の診療を通し、従来の日本の保険医療の限界を痛感。日本の生活習慣病、がん疾患の撲滅のための診療を実践。「老化が病気を引き起こす」という観点からアンチエイジング(抗加齢)医学のフィールドにおいて早くから活躍。
2007年10月、順天堂大学大学院に開設されたアンチエイジング医学の講座「加齢制御医学講座」の准教授に就任し、抗加齢医学の臨床・研究・教育にも従事。
TV、ラジオの健康情報番組への出演、多数の雑誌内特集記事の監修、書籍の執筆や講演活動などを幅広く行い、生活習慣病予防、抗加齢医学の啓発に従事。日本抗加齢医学会役員としても、日本全国のアンチエイジングクリニック、アンチエイジング関連施設での指導・アドバイス、講演会等を行っている。
自らもアンチエイジングライフを日々の生活の中で実践し、ホルモン年齢、脳年齢、筋・骨年齢などはすべて30代前半の体内年齢をキープしている。

◼所属学会

・日本健康医療学会常任理事
・日本エイジマネージメント医療研究機構理事
・日本抗加齢医学会評議員
・日本内科学会認定内科医
・日本抗加齢医学会専門医
・日本健康医療学会認定医

◼主な著書・共著

『モナリザエクササイズ』(エクスナレッジ)
『40歳からのタイプ別 ダイエット診断』(竹書房)
『いい睡眠があなたを10歳若くする』(青春出版社)
『一生若くいられる「都市型原人」という生き方』(マキノ出版)
など、多数。