現在50代の私の体は高校生の頃と同じような体の感覚です。なぜ50代の私が若い頃の体の感覚でいられるのか?という答えのひとつに都市型原人生活を通して得た、自分の実体験があります。今回はその実体験をご紹介させていただきます。

医官時代の実体験

私は今から20年以上前、自衛官の医官(防衛医大卒です)として、自然の中を駆け回る訓練(フィールドアスレチックのようなもの)にも挑んでいました。いざというときに部隊に同行できるよう、隊員たちと同じ訓練を行っていたのです。
日中は訓練に明け暮れ、夜は野宿します。訓練の間は早寝早起きで、電子機器は使えず、文明と完全に隔離された生活です。それはまさに「原人生活」でした。本当にハードで、もう嫌だとなんども思った訓練でした。ところが、私の脳は嫌がっているのに、なぜか体は喜んでいました。というのも、こうした野営訓練を行った後は、不思議と体調が良くなるのです。当時の私は、48時間勤務は当たり前などの不規則な生活を送っていたため、全身に倦怠感があり、ぜんそく、不眠、便秘、下痢、頭痛、肩こりなど、さまざまな不調に悩まされていました。ところが、野営訓練をしていると、それらがきれいに一掃されたのです。

あれ?こういう自然に近い生活をしていると、体のスイッチが入れ替わるのか」と体感しました。それが、私が都市型原人生活に向かう最初の気づきとなりました。

参加者全員が感じた体調の変化

もうひとつ、近年になってからも同じような体験をしました。私は2007年頃から、娘の学校で知り合ったお父さん仲間とともに、カンボジア奥地の貧村に学校を作るプロジェクトに参加しています。そこでは当然のごとく、日の出とともに起きて働き、日の入りとともに休む生活をします。すると、現地に滞在するうちに、自衛隊の野営訓練のときと同じく、すこぶる体調が良くなるのです。私だけでなく、いっしょに行ったボランティア仲間もみんな口々にそう話します。このカンボジア体験もまた、都市型原人生活の大切さを知る貴重な機会になりました。

50代で体内年齢30代後半を保つ秘訣

私が都市型原人生活を手探りで始めたのは33歳のとき、本格的に始めたのは35歳のときです。55歳に受けたアンチエイジングドックでは、筋年齢、骨年齢、ホルモン年齢、神経年齢がどれもほぼ30代後半という結果が出ました。体調はいたって良好で、日々の診察のほか、講演会、執筆、趣味のワイン会などのハードなスケジュールをこなしていますが、20年間寝込んだこともありません。これらはコツコツと都市型原人生活を続けてきたおかげです。

逆にいうと、私にとって20代から30代初めまでの健康状態は最悪でした。すでに述べたように、不調が重なって、本来なら最もエネルギッシュに動ける年代のはずなのに、体が重くてしかたなかったのです。
しかし都市型原人生活を続けるほど元気になり、おかげで今は、スポーツをしても軽々と跳んだり走ったりできて爽快です。都市型原人生活での実体験を生かし、私と同じように不調に悩んでいる人を救いたい、そう思い都市型原人生活を勧めています。

著者
青木晃(医師)

◼プロフィール

防衛医大、東大医学部付属病院などで、内分泌・代謝内科、腫瘍内科の臨床研究に従事。
多くの生活習慣病患者、がん患者の診療を通し、従来の日本の保険医療の限界を痛感。日本の生活習慣病、がん疾患の撲滅のための診療を実践。「老化が病気を引き起こす」という観点からアンチエイジング(抗加齢)医学のフィールドにおいて早くから活躍。
2007年10月、順天堂大学大学院に開設されたアンチエイジング医学の講座「加齢制御医学講座」の准教授に就任し、抗加齢医学の臨床・研究・教育にも従事。
TV、ラジオの健康情報番組への出演、多数の雑誌内特集記事の監修、書籍の執筆や講演活動などを幅広く行い、生活習慣病予防、抗加齢医学の啓発に従事。日本抗加齢医学会役員としても、日本全国のアンチエイジングクリニック、アンチエイジング関連施設での指導・アドバイス、講演会等を行っている。
自らもアンチエイジングライフを日々の生活の中で実践し、ホルモン年齢、脳年齢、筋・骨年齢などはすべて30代前半の体内年齢をキープしている。

◼所属学会

・日本健康医療学会常任理事
・日本エイジマネージメント医療研究機構理事
・日本抗加齢医学会評議員
・日本内科学会認定内科医
・日本抗加齢医学会専門医
・日本健康医療学会認定医

◼主な著書・共著

『モナリザエクササイズ』(エクスナレッジ)
『40歳からのタイプ別 ダイエット診断』(竹書房)
『いい睡眠があなたを10歳若くする』(青春出版社)
『一生若くいられる「都市型原人」という生き方』(マキノ出版)
など、多数。