現代社会はパソコンなどの電子媒体が普及し、デスクワークのお仕事が増えてきています。

椅子に座ったままの時間が多くなり、運動不足に…。同じ姿勢が何時間も続くと、想像以上に体への負担が大きく、心血管系や糖尿病のリスクが高くなることをご存知でしょうか?

「大変だ…やっぱり運動しなきゃダメかな?」

病気のリスクのお話を聞くと皆さんは「運動しなきゃ…」っと、感じますか?かつての私はすぐに頭の中で脂肪が炎で燃えている絵が浮かび、そのくらいハードな運動しなきゃ!と連想してしまうタイプでした。

さて、「運動」「脂肪燃焼」というワードを聞くと皆さんはどんなイメージや気持ちをお持ちになりますか?

もしかしたら“脂肪燃焼、運動=しんどい”と感じて気持ちもブルーになる方もいらっしゃるかもしれませんね。まずは皆さんが持つ脂肪燃焼のための運動のイメージから確認していきましょう。

脂肪燃焼のための運動とは

長時間のデスクワークの弊害により、体の代謝機能は低下し、血液中の糖や中性脂肪がエネルギーとして使われづらくなってしまうといわれています。15歳以上の日本人の約65%は運動不足というWHO(世界保健機関)の統計もあり、日常生活の中に運動の要素を組み込む必要性が昨今ではあります。

では、ここでみなさんの「脂肪燃焼のための運動」へのイメージを確認しましょう。次の項目のうち、正しいと思うものはどれでしょうか?

■チェックリスト

  • 脂肪燃焼には激しい運動が必要
  • 生活の中で行う運動は脂肪燃焼はしない
  • 朝イチの運動が脂肪燃焼に効果的
  • 1時間歩かなければ脂肪燃焼は始まらない
  • ボクサーみたいな減量メニューに取り組まないといけない

さて、結果はいかがでしたか?

昔は正しいとされていたものもありますが、実はどれも今では正しいとはいえません。では、いまどきの「運動の常識」とはどんなものなのでしょうか。

「ニコニコペース」の運動がおススメ

昔は激しい運動を長時間するのが正解とされていましたが、最近では激しい運動は、かえって脂肪が燃焼しにくくなることがわかってきました。

運動する時には糖質と脂肪が消費されます。その消費の割合は運動強度によって変わり、激しい運動の場合は糖質の割合が高いといわれています。したがって、脂肪の消費率は低くなります。

脂肪を燃やしやすいのは、楽だけどちょっとキツいと感じる程度の有酸素運動。日常の中でできる早歩き階段の上り下りがこれに当たります。こうした運動を「ニコニコペース」の運動といい、1日20分以上「ニコニコペース」の運動をすることが、ダイエットにも健康維持にも効果的だと言われています。

「ニコニコペース」は「笑顔でギリギリ会話はできる」程度です。年齢によっても強さが異なり、一般的に心拍数が「138-(年齢÷2)」となるような運動が、その人にとっての「ニコニコペース」です

最近では心拍数も図れるアプリもありますし、手で脈を1分間図ることでご自身の心拍数を知ることができます。

空腹時がチャンス!

空腹で血糖値が下がっているときに歩くと、糖のかわりに脂肪がエネルギーとして使われます。その結果、脂肪を効果的に燃やすことができます。そして、ニコニコペースでの有酸素運動を開始してから約20分後には脂肪燃焼効果が高まるといわれています。(20分までは脂肪が燃焼していないという意味ではありません。)

どうしてもお腹が減っていると歩けない人は、食後2時間半以上あけてからの運動をおススメいたします。ただし、血糖に問題がある人(糖尿病など)は空腹時の運動は避けましょう。

合わせて、人間の身体は、朝よりも夕方の方が運動能力が高くなることがわかっています。運動する時間が選べるなら帰宅時間の夕方がベストタイミングです。


【著者】諏佐 文昭 理学療法士)

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日本理学療法士協会

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